作業マニュアル・作業工程の理由付けと危険予知について

2024.06

 

作業マニュアル・作業工程の理由付けと危険予知

https://youtu.be/872jQuL9UQo

不可抗力<器具の不具合<ヒューマンエラーが大半

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【不可抗力】 天災その他不可抗力と表現することが多く、台風、地震、豪雨等の人力をもってしては防ぐことのできない異常な災害、その他社会通念上可能な限りの防止措置を講じても抗する(抗う)ことのできない事故等で注文者及び請負人の双方の責に帰すことのできないもの。》

 

残念ながら、いつの時代になっても事故は無くなっていません。

恐らく、混油事故については注油口を混油防止システムに対応したものに換えれば可能だとは思いますが、作業事故、交通事故、といった人が深く関与するものについては無理だと思います。

これは冒頭で記したヒューマンエラー>器具の不具合>不可抗力に表れています。

 

作業事故については、マニュアルに沿った作業工程で行う指差呼称であっても、視線、視点が何を見るべきで、(目的物・注意点)

何の危険が潜んでいて、(予見)

それらを確実に排除される状態にあるのかを検討しながら、(予防・対策)

自問自答しながら意識的に(対処できるように備える)

確認を行う。(実行)

少ない字面ですが、核心部分を要約した文言になっています。

 

指差呼称を行っていたとしても、適切な方法とタイミングで行わないと意味がありません。

当たり前だろ!と思うことでも、何のためにやっているのか、その意味を考えないと、

小さなヒヤリが、ボタンを掛け違えたかのように大きな誤り、事故に繋がります。

今この場では、当たり前だろ!と感じる、その当たり前が、当たり前じゃなくなる時があって、大抵はその当たり前じゃなくなる時に、大丈夫だろう・・と過信して、確認をせず、思い込みで事故が発生します。

人によっては、不幸な、若しくはタマタマの偶然が重なって事故が起きたと表現をする人がいますが、その偶然が、器械的な不具合が重なって起きたものなのか。

偶然と思われるものも、たった一つの偶然だけで、実は当たり前だろ!と思っている『そのこと』を当たり前じゃない心持ちでいい加減(不適切)な視点、方法、タイミングで行った人的ミス(ヒューマンエラー)の積み重ねであった。という事が往々にしてあります。

・歯止めヨシ! トレーラーであれば軸タイヤにしないと意味はないなぁ。

積込の際、タイヤに歯止めを密着させると噛んでしまうな。

傾斜のある運送会社で、歯止めを密着させないとだめじゃないか!と言われ、「タイヤの前後にしたら噛むだろっ」て思いをしたこともあったなぁ・・・

・アースヨシ! 導通が取れていなかったら意味がないなぁ。

アースコードを引っ張る際にクリッブが抜けることもあるから、丁寧に引っ張ろう。

・消火器設置ヨシ! 風上にしないと消火活動が困難だなぁ。

荷卸し後に急かされて、消火器を収納する前に出発してしまったことがあったな。

(出発前に車両を一周して周囲の確認もしていなかった)

・ホースボックスを開閉する際に、爪はしっかりとかかっているかなぁ。

 走行中に開いて、ジョイントが落ちたら後続車が危険だな。

深夜、の時間帯に早朝にガチャガチャ音をたててクレームが入ったと言っていたな。

・吐出口のキャップを開けるときはウエスを手に添えておかないと、漏油につながるな。

乗り回した車両の吐出口のキャップを外したところ、もともと吐出弁が固かったようで、しっかりと締まり切っておらず、手に持ったウエスで拭いきれないほどの滞油が出てきたことがあったな。(吐出弁の閉止確認不実施)

・端切りしたら、前荷の滞油がたくさん出てきたな。

 前荷で間違いはないか?リークしているのでは?底弁はしっかりと増し締めしていたか。

どれかのハッチ底弁を閉め忘れてはいないか。

異物をかんだということは無いか。

SSであれば、該当油種の処分も出来るが、灯油屋さん運送会社の給油施設であると困ることもあるな。

・ペール缶の底に穴が開いたこともあったな (吸着マットの上に置くようになったな)

 

箸の上げ下げまで教えてくる教育も大切だと思うけど、習得した知識や技術をより発展さ

せて、表面的だった知識の背景や経緯にまで理解が伴えば、如何に重要なマニュアルなのか

を知ることができやしませんか?

経験は財産だなと感じる反面、怠慢や慣れといった残念な行動を引き寄せがちです。

一件一件の納入が、真剣勝負になります。

一つのミスが大きな損害を出すことは容易に想像できます。

これから暑い季節を迎えるときに言うのは憚れますが、事故を起こす起こさないは、結局は

人次第と言っても過言ではないかもしれない。

それだけ、危険な、重要な、責任ある仕事なのだと気持ちを改め、業務に従事してもらいたく思います。