2023.12歩行者妨害法律と道徳に関する情報

 

2023.12 歩行者妨害 法律と道徳

 https://youtu.be/_KntQBcyHpQ

令和2年中の交通事故による死者の35.3%が歩行者であった。

人身事故の  3/5は交差点

人と車の事故の 1/3は横断中

歩行者妨害  3か月以下の懲役、または5万円以下の罰金、違反点数2点ではあるが、

×捕まらないため ではなく

〇事故を起こさないため を目的にお伝えしたく、まずは、歩行者妨害に定義、特定条件下での走行(右左折、歩行者の側方等)、次いで、歩行者の義務等について道路交通法の条文を紹介し、事例、状況に添って条文と照らし合わせながら検討をしていきます。

 

第六節の二 横断歩行者等の保護のための通行方法

(横断歩道等における歩行者等の優先)

第三十八条 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。) がないことが明らかな場合を除き、 当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。 この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。

 車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他の車両等(特定小型原動機付自転車等を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。(追い越し:2条21号)

(罰則 第百十九条第一項第五号、同条第三項)

(横断歩道のない交差点における歩行者の優先)

第三十八条の二 車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。

(左側寄り通行等)

第十八条 車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び一般原動機付自転車(原動機付自転車のうち第二条第一項第十号イに該当するものをいう。以下同じ。)にあつては道路の左側に寄つて、特定小型原動機付自転車及び軽車両(以下「特定小型原動機付自転車等」という。)にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項若しくは第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。

 車両は、前項の規定により歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない

第六節 交差点における通行方法等

(左折又は右折)

第三十四条 車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。

 自動車、一般原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。

 特定小型原動機付自転車等は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。

 自動車、一般原動機付自転車又はトロリーバスは、一方通行となつている道路において右折するときは、第二項の規定にかかわらず、あらかじめその前からできる限り道路の右側端に寄り、かつ、交差点の中心の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。

 一般原動機付自転車は、第二項及び前項の規定にかかわらず、道路標識等により交通整理の行われている交差点における一般原動機付自転車の右折につき交差点の側端に沿つて通行すべきことが指定されている道路及び道路の左側部分(一方通行となつている道路にあつては、道路)に車両通行帯が三以上設けられているその他の道路(以下この項において「多通行帯道路」という。)において右折するとき(交通整理の行われている交差点において右折する場合に限る。)は、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。ただし、多通行帯道路において、交通整理の行われている交差点における一般原動機付自転車の右折につきあらかじめ道路の中央又は右側端に寄るべきことが道路標識等により指定されているときは、この限りでない。

 左折又は右折しようとする車両が、前各項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない。

 

第二条二十号 徐行 車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。

 

 

上記条文を要約すると以下のようになります。

 

横断歩道等の手前に人か自転車がいれば一時停止。(38条)(この条では歩行者等という)

歩行者と自転車がいるかわからないときは徐行。(38条)

横断し、しようとする歩行者等の通行を妨げないようにしなくてはならない。(38条)

横断歩道のないところを横断している歩行者等の通行を妨げてはならない。(38条の2)

横断歩道のないところで歩行者が横断しているとき妨げてはならない。(38条の2)

横断歩道等に接近し、交差点を通過する際は、歩行者等が無いことが明らかでなければ、停止できるような速度で進行しなければならない。

横断歩道手前に停止している車があったら一時停止。(38条2項)

右左折時には徐行する(34条)

歩行者は横断歩道があれば、それを通行。(12条)

減速、斜めに横断しない。(12条)

 

条文上では右左折時には徐行をする事が求められており(徐行=直ぐに止まれる速度)

焦ったきもちでの右左折、その後の曲がった先への注意(対向車の次の危険予知)が必要です。また進行時の死角については、歩行者がいると予測する習慣がないと(ローリー出発時の確認も何かがあると想定して)徐行しながらの右左折には到底及ばないと思われます。

 

交差点、横断歩道の手前、人の往来のある場所(十分な間隔が確保されていないとき)では、

歩行者の存在を×見る のではなく、〇探す 気持ちでいないと、死角や(体を動かして視点を変える等)特に夕方等の歩行者がいる薄暗い交差点では歩行者が関係する事故が懸念されることからも、歩行者妨害を無くすことが求められる。

 

 

さて、以下、事例、想定に添って検討してみましょう。

Q.横断しようとしている歩行者等(38条)とは?

A.腕組み、止まってこっちを見ているのは、車が止まってから渡れと教育されたことから、止まるのを待っている。

運転者から見て横断しようとしているの判断は分らないのであれば譲る。

停止して、どうぞと合図。

停止線の少し手前で(焦らせない)

 

Q.通行を妨げないようにしなくてはならない(38条)とは?
A.停止して、どうぞとゆっくり合図。

停止線の少し手前で停止する。(焦らせない)

歩行者が譲ってくれても、他の歩行者の存在、駆け込んでくる新たな歩行者の存在の有無。

 

Q.歩行者が急に現れたら?
急ブレーキをしたら追突される恐れがあるのではないか?   

A.そもそも、歩行者等がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前、停止線があればその直前で停止することができるような速度で進行しなければならない。(38条)のだから、急に現れたではなく、すでにそこにいたが正解。

 

Q.私が通過した方が、歩行者も安心して渡れる。

   〃    、焦らずに渡れるのではないか?

A.横断歩道等の手前に人か自転車がいれば一時停止(38条)、必要があれば横断を促す声掛け、その際の言葉使いや態度に注意する。

 

Q,横断をしようとしていなかったから、歩行者の側方をそのまま通過したけど、、。

  1. 横断をしようとしていないときであっても、安全な間隔が確保できそうにない場合であれば、側方を通過するときには徐行をしなければならない。(18条2項)

(明らかに歩行していて横断の意思がなく、かつ歩行者通行帯と車道の間に縁石等の仕切りの他、ガードレール等によって安全な間隔が出来ているときを除く)

 

Q,歩行者が譲ってくれたら、通過しても良いのでは?

A.停止後に明らかに譲られているときであっても、他に横断をしようとしている歩行者がいるかもしれないので探す必要がある。

×見えない

〇探す

車が止まっているから、急いで渡ろうと駆けてくる人がいるかもしれない。

歩行者が見えなかったではなく、いなかった。と言えること。

しかしながら、捕まらないようにではなく、事故を起こさないために。と考え、歩行者が焦らず、安心して横断できるよう横断歩道の手前でゆっくりと停止してみる。

 

Q.横断歩道のない道路で歩行者が通行も横断もしていないなら通過してもいいんだよね?

A.横断歩道がない交差点(38条の2)でも拡大解釈をして、横断しよう(条文では横断している)とする人のいないことが明らかにならない見通しの悪い交差点では、直ぐに止まれる速度で進行をして、歩行者が横断した際は通行を妨げないぞ。(条文では妨げてはならない)と思おう。

*世論を動かすほどの事故があれば、条文は変わります。

 

条文通りの運用をしつつも、尚、焦った状態での右左折、曲がった先の注意(信号や対向車、巻き込み等、次の危険予知)

運転席からの死角、歩行者がいると予測する。

(ローリー出発時の確認も何かがあると想定して行うものです)

尚、条文には、右左折時は徐行(直ぐに止まれる速度)であることが明記されています。

×見るではなく

〇探す 左折時の巻き込み、死角にいないか探す。

夕方等、歩行者がいる薄暗い交差点、死角にいないか探す。

    体を動かして視点を変える等をして探す。

減速しないから見えるものも見えない。

減速しないから、急ブレーキをせざるを得ない状況になる。

 

 

また、路上駐停車の側方を通過する際も、歩行者には以下の義務がある(13条)が、

車両等にも同様の義務がある(38条2項)。

 

 

双方に義務はあるが、譲り合い、危険を予知し、歩行者を探す習慣を。

歩行者は見えないところから出てくる。

暗いヘッドライト照射の範囲外に人がいる。

車の運転をするのが嫌になりそうですが、便利なものであることに変わりはないので。

贖いの日々を反面教師に。

 

この後に歩行者に求められている義務、条文を掲載しているので、御確認下さい。

第二章 歩行者等の通行方法

(通行区分)

第十条 歩行者等は、歩道又は歩行者等の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる。

 歩行者等は、歩道等と車道の区別のある道路においては、次の各号に掲げる場合を除き、歩道等を通行しなければならない。

 車道を横断するとき

 道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき。

(横断の方法)

第十二条 歩行者等は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の付近においては、その横断歩道によつて道路を横断しなければならない。

 歩行者等は、交差点において道路標識等により斜めに道路を横断することができることとされている場合を除き、斜めに道路を横断してはならない。

(横断の禁止の場所)

第十三条 歩行者等は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない。ただし、横断歩道によつて道路を横断するとき、又は信号機の表示する信号若しくは警察官等の手信号等に従つて道路を横断するときは、この限りでない。

 歩行者等は、道路標識等によりその横断が禁止されている道路の部分においては、道路を横断してはならない。