2020.2. 安全会議資料

 

『株式会社と安全な走行、利益の最大化』をテーマにお話を展開します。

 

昨年9月には安全に対する会議として、『職務上での義務や責任の所在について』。

同年10月に『危険感受力の意識付け』と『危険箇所の抽出、共有』。

同年11月に『事故事例と贖いの日々から、加害者側の過失とその後について』を紹介しました。

12月には配送需要、道路状況を加味して安全会議を順延。

新年1月に『付加価値』、『引き続き配送依頼をいただくために今できること』を検討しました。

ここからは以前にお話ししたことを継続しつつ利益についても言及し、尚一層の効率化を求め、利益を最大化させるために、具体的にどうすればよいのか?

また自分だけが良ければ良いといった自己中心的な考えではなく、同僚を含めた太陽運輸全体として捉え、皆の生活の基盤になるこの会社をより健全に居心地の良い場所にする為の提案や安全会議を実施していきたいと思います。

 

今回のテーマの『株式会社と安全な走行、利益の最大化』ですが、そもそも会社は何のためにあるのか?

 

人間社会で一人きりで生きていく、衣食住のすべてを一人の人間がなしえることは難しいことです。

一日は24時間、これは誰もが等しく同じ時間を共有しています。

野生の動物よりも身体的に劣る我々人間は集団行動をし、その集団の中で分業をすることを何千年も前からやってきました。

目には見えなくても誰かが作った、提供したサービスがまわりまわって我々の手元に届いています。

 

400年位前に船貿易を目的として東インド会社という株式会社が出来ました。

出資をして人とお金を集め出資の目的となる経済活動を行い、その利益を出資者に分配をする。金が金を生む経済活動です。

また出資者は、その出資額以上の負債は負いません。有限責任社員と呼びます。

 

より大きな経済活動をするために株式会社という集団の中で各々に役割分担をして活動をします。

分業をすることで集中することができ、より専門的な活動ができるようになるからです。

より大きな経済活動をしたい。         資本を募る。

                       太陽運輸㈱を作った

 

営業行為と経済規模の拡大           輸送量の増加とローリーの増車

                       

労働力の募集、労働契約            ☝の技術者を集め、労働契約をする

 

分業をすることで専念することが出来る     より高度な技術、専門的な知識

 

効率化をすることも可能            経験、知識を使って効率化を図る

 

債権回収等は事務方に現業は皆さんにと分業をしています。

 

分業の中で配送をする皆さんの業務方法について、【高度な技術、知識と知恵、経験を使って効率化】をして欲しいと考えています。

国主導でしている働き方改革も、労働時間の短縮と共に時間当たりの生産性向上をもって以前と同水準の利益を上げる事を求めています。

国内企業のすべてが、この要求に応えることができるのかは不透明ですが、銀行も再編、石油メーカー再編、運送業界も再編されてしまうのかな?って気もしないわけでもないですが、国策についていけない企業が淘汰される可能性が高いのであって、我々太陽運輸がそれであるとは言い切れないと思うし、個人的には大企業に吸収はされたくないなぁ。と思います。

朝から唱和とかやりたくないですよ。

三石も強制されるのは大嫌いですので、それは避けたい。

 

そして、話は戻りますが、我々は労働の対価としての賃金をもらっています。

(*注 s632条請負ではない。雇用はs623)

(S632請負は当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。)

(S623雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。

 

これは労働契約により『太陽運輸の受任した、指定された出荷場から預かった石油製品を指定された日時、場所に納める業務を行う』ことで成立をします。

(労働契約の図参照)

 

しかしながら『指定された出荷場から預かった石油製品を指定された日時、場所に納める業務』には安全に業務を行うことの推定があると伝えました。

(最判s34.9.17)(民415)

(金銭債務以外の債務について、債務者が義務を免れるためには、履行不能が自己の責めに帰すべからずることを主張、立証することを要する。)

 

そして会社の本質としては利益を出すこと。*ホワイトボードの出資者に注目

 

『高度な技術、知識と知恵、経験を使って効率化』を使って業務遂行をする必要があるのです。

 

会社とそこのドライバーさんに求められるもの

 

技術→ 高度で安全な運転、作業。責任と高い注意義務。

 

知識→ 業務遂行上必要な危険物、危険予知、予防に関連する知識。情報共有。

 

経験→ 経験を使って行動。危険回避、付加価値、利益追求)

 

『社会的な地位に基づき人の身体・生命に危害を加える恐れのある行為を反復継続させること』はとても高い注意義務を求められます。

 

高い注意義務を負うこととされてはいるものの、実行をすることは決して楽ではないです。

実行して、結果を残すということは無事故でありつづける事になります。

それ☝(高い注意義務=無事故)+効率化(利益を残す)+付加価値(リピート率の向上)を個人でやれたら、世間一般に言う成功者になると思います。

立派な個人事業主です。

 

《安全の話》

会社は使用者責任(715条)を負うわけですから、過失がないように皆さんに必要な情報を伝えなくてはならいなし、危険だと思われるものがあれば、嫌われても是正をしていかなければならない。

企業はそのための事故防止を目的とした安全会議等を実施し、国が主導しての労働環境改善のために働き方改革をすることの義務を負わされています。

事故が起きることはやむを得ないこととしつつも(不可抗力)、避けられる事故、予想される事故を防ぐために予防策を講じることは必須だと思っています。

また事故を起こしたことによる制裁や賠償といった責任についてもお話をしましたが、自分自身や同じ会社にいる仲間が否応なしに収監される、身体を拘束されるといったことは避けたいと思います。(贖いの日々)

誰もが想定していない、その時、その場所で防ぎようのなかった原因によって発生したものは不可効力です。(大地震)非難される理由もありません。

安全に配送を行えることはもとより、依頼主の求める安全に石油製品を届ける。に対して、《付加価値の話》

さらに気持ちの良い対応、礼儀、振る舞いによって太陽運輸のブランディング化を図り、付加価値をつけ、引き続きのご愛顧をいただけることで太陽運輸は健全に運営を行うことができます。

 

《利益最大化の話》

しかしながら、一部の人だけがした費用対効果として非効率的な走行ルートの選択によって発生する高速道路利用に伴う粗利益の喪失、楽をしたいがための利己的な走行によって浪費することは避けたいとも考えます。

ここで、無駄だという抗弁は必要ありません。

やってみて、利益が出ない訳がない。

単純な足し算と引き算の問題です。

5万の売り上げに対して人件費、高速代、燃料費、車両維持費を引いて得た額を新たな車両購入費等に準備立てていく。

やっても無駄だと心にブレーキをかけずに、信じて行動をしてください。

利益は出ています。

 

ただ、この現状に甘んじて利益を浪費することは、賞与額や基本手当の改定と称して既得権を失っていくことになり得ます。

昨年からも話題に出していますが、働き方改革による同一労働同一賃金制の解決にも寄与します。

今の水準を維持して等級制度に移行するためにも以下の項目を十分に理解したうえで取り組んでください。

 

(原因論)

依然よりも労働時間の制限が厳しくなり受注量を控えざるを得ない。

売上高の維持がしづらい。

労働時間の制約もあるために残業代の支給額が減る。

総売上高の確保が困難な状況であるにもかかわらず、経費を浪費することは収益を減らすことになる。

運賃交渉によって売上をかさ上げすることができたが、付加価値を超える著しい運賃上げは受注量の低下につながりかねない。

 

以前、高速道路使用を控えるように申し伝えたところ、節約のできる配車内容にしてくれとの意見がありました。

配車を行う時点で、高速道路を使用しなければ配送を終えられない内容のものもあります。

高速道路を使わざるを得ない納入先については、恣意的に次の配送先についても有料道路の使用が避けられないところを選択するようにしています。

配車について、どのように道路を使用すべきか、自分の思う選択ルートは〇〇であるが、事務所ではどこを走行することを想定しているのか聞いてもらって結構です。

 

運賃を上げ、配送ボリュームを下げ、事務所経費にあたっては数年前に比べ抑制されている。

次にあるのは運転手さんの給料です。

繰り返しになりますが、手当等の維持をするためにも、利益の確保される運行方法を選択してください。

 

【高度な技術、知識と知恵、経験を使って効率化】

 

平成28年3月には、自らの人件費を1時間当たり1000円と仮定して有料道路を使用してほしい旨を伝えましたが、言われた覚えがない、記憶に残っていない、というのであれば、事務所側の伝え方に問題があると考えます。

繰り返し同じ内容を伝える準備はできています、人は忘れる生き物です。

共感のある事柄であれば意識に残りやすいと思いますが、自らが苦労することであれば、自らに有利な解釈をとることも容易に想像できます。

それが普通だと思います。

苦痛を伴いますが、自らが理想の職場を作り出す、環境を整えるといった行動をしましょう。

 

ただがむしゃらに配送をする、費用対効果を考えずに結果的に残った利益でできる投資に留めることは資産の老朽化につながります。

配送依頼された案件をやみくもに配車するといった前時代的、非効率な経営をする時代ではないと思うのです。

 

有料道路の他にタイヤ交換にしても偏摩耗を防ぎ、タイヤの寿命を全うさせることでタイヤ交換のサイクルを1年半年から3年にしたときに、570万の差が出ます。

決して無駄なことではないです。

 

効率を考えることがむしろ必要な時代になったのだと、経済活動に参加している意識をもって、より良い環境を作っていきたい。

 

(目的論)

利益を最大化させて、自らのいる環境をより良いものへとしていく。

新車の購入、手当の充実、会社が長く健全に経営されていくこと。

賛同してもらえるでしょうか?

 

 

今回の『利益の最大化』も企業経営上、重要なものです。

太陽運輸の一員として、皆には事故事例や加害者側の生活を知ってもらうことで事故を無くすために危険予知をすることが如何に重要であるか?

運賃を上昇させつつも変わらずに依頼をいただけるための付加価値。

この得られた利益も非効率な支出で減少させることは、配送単価を値下げしているようなものです。

効率化させることで運賃単価を上げるといったものと似た効果を得られます。

 

同じ仕事量であっても利益が最大化されることで【働き方改革についていける環境】を作っていきましょう。