2024.02
改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)の要約
第一条・この基準は自動車運転者であって四輪以上の自動車の運転の業務の労働時間等の改善のための基準を定めることにより、自動車運転者の労働時間等の労働条件の向上を図ることを目的とする。
長時間労働による疾病等(心臓疾患、脳疾患、大動脈疾患)を予防するために労働時間の整備が進んでいましたが、一部改正した改善基準が令和4年12月23日に告示され今年の4月からの運用が始まります。
この基準の自動車運転者とは労働基準法9条で言う労働者であって、四輪以上の自動車の運転の業務に主として従事するものを言います。
(「主として」とは、労働時間の半分を超えることが見込まれる場合をいう。)
以下が貨物自動車運送事業に係る改善基準告示の要約です。
他に 「フェリーに乗船する場合」、「二人乗務をする場合」、「適用除外業務」、「予期しない事象への対応時間の取り扱い等」の記載もありますが、今回の動画では割愛します。
(私たちの就業環境では改善基準告示の1条、4条が該当します。)
【改善基準告示要約】(改善基準告示4条)
・一年の拘束時間は 3300h以内 例外3400h以内
・一か月の拘束時間は 284h以内 310h以内 但し6回/年まで
・一か月の拘束時間284hには休憩時間が含まれます。 284h超えは連続3回まで
・一日の拘束時間は 13h以内 上限15h 16h 2回/週まで
〇40h*52w+5d*52w*1h+960h=3300h
×16h*2d+13*3d)4=284h
〇3300÷12+9h(月一回の休日労働を想定)=284h
1か月の時間外労働を80h以内(年6回までなら100hまで)
・2日平均一日の 例外
運転時間 9h/日以内
・2週平均1週の
運転時間 44h/週以内
・連続運転 4h以内 4h30mまで
・運転の中断 30m以上 10m以上で3回まで
・休息期間 継続9hを下回らない 継続11h以上の努力義務
【労働基準法】(労働基準法34条)
・休日の取り扱い 24h+9h=継続33h
・労基法34条では、『労働時間が6hを超え場合においては少なくとも45分、8hを超える場合においては少なくとも1hの休憩時間を労働時間の途中に与えなくてはならない。』
・34条違反の罰則 (法119条:6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金)
荷待ち時間の削減と有料道路の有効利用を考える必要があります。
荷待ち、積込時間の短縮。
安易な作業時間の短縮は手抜き作業に繋がります。
積込の順番待ち(荷待ち時間)を解消しましょう。
⑴ キグナスラックが少ないので、レーン数以上並ばないような配車と出庫時間の調整が考えられます。
・一回転目の出荷場がキグナスだけに偏らないよう他の出荷基地に分散させます。
・やむを得ず、一箇所に集中するときは、出庫の時間を指定します。
⑵ 有料道路の有効利用、費用対効果を考える
・一般道路を走行するときと有料道路を走行したことで短縮される時間に遜色がない場合。
・移動時間が短縮される場合であっても、短縮された時間と利用料金額を比べたときの差。
・一般道、有料道路で明らかに渋滞が予想される時間帯における走行ルートの選択。
⑶ 休憩時間の取得
・休憩をしてください。
・高速のSA、PA、コンビニの駐車場に止められないこともありますが、製油所や会社車庫を利用して1時間の休憩をとられますように。